夏は過ぎて肌寒くなってきた季節
この季節になるにつれて
天気は不安定で、よく台風がやってくる


「・・・・・・」


教室から窓に目を見やれば
サアサア、と雨が窓を濡らす

そんなもう放課後に近い、授業の時間。零はため息をついた


「(ああ、もう!天気予報では
降るなんて言って無かったのだー!)」


顔には出さずに、
頬杖をついていれば

もう授業は終わりで



「今日雨だからどうする?」

「さすがにお客さん来ないレヒよー」


そう会話をしながら
私の側に近付く勝太とヨーデルに
私も「確かに…、」っと口を溢した


「台風近いんだし、今日は無しの方がいいんだな」

「そうだね、皆風邪引いちゃうといけないし」

「むー…、致し方ないのだ…」



次にぶっちゃけ、べんちゃんの言葉に、私は渋々頷くと

真っ先に勝太と二匹が教室を出ていき、元気な声を出して去っていった


「じゃあまた明日!」

「あばよー!」


それに続くように、ヨーデル、ぶっちゃけも何やら急ぐように教室を出ていく。

なんだ、今日なにかあるのか!?


「いや、台風だしね」


独り言を言っていたら、隣にいたべんちゃんが苦笑いしながらそう付け足した。

他の皆とは違い、べんちゃんは急ぐような素振りもなく、まだ準備していない私を待っているような感じで


「ご、ごめん!直ぐ準備するのだ!」

「ううん、大丈夫」


べんちゃんはいつも、私のことを待ってくれる。

そういや、私がまだオラクル民でスパイだった時も、毎日毎日、放課後は待ってくれてた。

まあブータンが毎回側にいるより
当然マシだったし、

帰りは家まで送ってくれて…
本当、彼は優しいのだな…っと
時々申し訳ない戒めを感じてしまう。




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