『カカシ先輩…』
「どうした」
金属音が響き渡る室内で、ゆなは弱々しくカカシを呼ぶ。
『腰が抜けました』
「え゛…」
先ほどまで行われていたプルコーギからのセクハラの恐怖によりすっかり腰を抜かしてしまったゆな。
震える手でクナイを握るゆなに戦闘は無理だと判断し、カカシはサスケに目を向ける。
「サスケ、ゆなを連れて先に戻れ」
サスケはゆながクナイ一つで応戦していた相手を蹴散らすと、その体を姫抱きにして天井から脱出する。
「重っ…」
『すみません…』
「お前じゃねぇよ、着物が重い」
軽く傷付いた様子のゆなにサスケは訂正を加え、追手が来る前にと宿へ急ぐ。
『あたし、役に立ったんでしょうか…』
プルコーギの行為に何も出来ず、腰まで抜かしてしまったゆなはすっかり自信をなくしてしまう。
「お前は十分役に立った。初めての任務なんてそんなもんだろ」
そうこうしているうちに宿へと到着し、部屋に戻ったサスケはゆなを畳に下ろす。
「着替えられるか?」
サスケの言葉にゆなは頷く。着物を脱ぐくらいなら腰が抜けていても出来る。
「着替え終わるまで外にいる」
ゆなに背を向け部屋を出ようとしたサスケの背中にゆなは咄嗟に手を伸ばし、服の裾を掴んで引き止める。
「どうかしたか?」
『あ、いや…』
一人になりたくなくて思わず引き留めたものの、行かないでとも言えずゆなは黙り込む。
そんなゆなの手が震えていることに気付いたサスケは、優しくゆなを抱きしめた。
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