『昨日はありがとうございました』
ゆなは椅子に腰掛けるサスケの前にコーヒーを置く。
「今日は雪でも振るんじゃねーか?」
『相変わらず失礼ですね。あたしだってコーヒーくらい淹れますよ』
サスケはわざとらしく窓の外を眺め、ゆなの淹れたコーヒーに口を付ける。
『何かお礼させて下さい』
「いらねー」
『借りを作ったままにするのは嫌なんです』
ゆなの言葉に、サスケは再びコーヒーに口を付けてしばらく口を閉ざす。
「…名前」
『?』
「今日からうちは先輩って呼ぶの辞めろ」
『じゃあ何て呼べは…痛っ』
「自分で考えろ」
ゆなはサスケに小突かれた額を押さえ、立ち上がったサスケを見上げる。
「コーヒー美味かった」
小さく笑みを漏らし背を向けるサスケに、不覚にも心臓が高鳴る。
『サスケ先輩』
呼び止めるようなゆなの声に、サスケは足を止めて振り返る。
『って、呼んでもいいですか』
段々と小さくなるゆなの声に、サスケはクツクツと喉を鳴らして笑う。
「好きにしろ」
サスケは空になった紙コップをゴミ箱へ放り投げ任務へと向かう。
『……//』
一人残されたゆなは、火照った頬を冷やすように両手で顔を包み込む。
『(何ドキドキしてんのよ)』
ゆなは緩んでいるであろう自分の頬をつねり、任務に向けて気合いを入れ直した。
.
[
back]