「例えば膝に手を置かれたら、上から自分の手を重ねてそっと相手の膝に移動する」
紅はゆなの手を取り自分の膝の上に置くと、実際に手を動かしながらゆなに説明してやる。
「他に何かされた時は"恥ずかしい"って言いながらやんわり相手の手を退ければ、向こうはそこまで気分を損ねないから」
『へぇ』
「後はゆなちゃんの運と演技力次第ね」
『何か緊張してきました…』
「大丈夫よ。相手は忍術も使えないただの親父だし、私達も付いてるわ」
紅はだんだんと表情が硬くなるゆなの緊張を優しい言葉でほぐし、ゆなは口角を上げてにこりと笑った。
……───
『潜入します』
無線の送信機に話しかけたゆなは、返事を待たず一方的に通信を切る。
ここから先は誰の手を借りることも出来ない…初の色任務の始まりだ。
「店では源氏名を使ってもらうから、ここでは君の名前はユキね」
『はい、よろしくお願いします』
「じゃあユキちゃん、早速だけと楓の部屋にお願いします」
『はい』
店員の男から店のルールなどを一通り説明され、ゆなは楓の部屋の扉を開ける。
『始めましては、新人のユキです』
ゆなが顔を上げると、そこにはターゲットの男がいた。
『(いきなりかい!!)』
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