炭治郎に頸を斬られた事で魘夢と同化していた汽車の車体は暴れ出し、線路から外れて横転する。その衝撃で愛梨達は汽車の外へと弾き出される。




「しっかりしろ!腹は大丈夫か、刺された腹は」




愛梨と伊之助は横たわったまま起き上がれない炭治郎に駆け寄り、傷の心配をする。




「すぐ動けそうにない、他の人を助けてくれ。頚の近くにいた運転手は」




自分が死にそうになっているにも関わらず、炭治郎は自分を刺した運転手の無事を心配する。この少年はどこまでお人好しなのか。




「…アイツ死んでいいと思う」


「よくないよ」




運転手は右足が車両の下敷きになって潰れてしまい、その場から動けずにうめき声を上げている。




「足が潰れてもう歩けねぇ、放っとけば死ぬ」


「だったらもう十分罰は受けてる、助けてやってくれ。頼む」


「…ふん、行ってやるよ、親分だからな。子分の頼みだからな」


「ありがとう伊之助」


「助けた後アイツの髪の毛全部毟っといてやる」


「そんな事しなくていいよ」




伊之助は炭治郎に懇願されしぶしぶといった様子で運転手を助けに行き、愛梨は炭治郎のすぐ隣に膝をつく。

頸を斬られた魘夢は負けた事を杏寿郎のせいにしながらぶつぶつと独り言を呟き、そのまま虚しく消滅する。




『炭治郎君、全集中の呼吸は出来るよね』


「はい」


『出血部に神経を集中して、止血出来るはず』




炭治郎は目をつぶって神経を集中させ、腹部の出血を呼吸で止める。




「全集中の常中ができるようだな、感心感心!」


「煉獄さん…」




杏寿郎は炭治郎の顔を覗き込んで感心したように頷き、全集中の呼吸常中は柱への第一歩だと言う。




「呼吸を極めれば様々なことができるようになる。何でもできるわけではないが昨日の自分より確実に強い自分になれる」




杏寿郎は怪我人は出たものの乗客の命は全て守られたと炭治郎に伝える。乗客の命を守る事が出来たのは炭治郎が頸を斬った事はもちろん、何より五両もの車両を一人で守り抜いた杏寿郎の活躍のおかげだ。




「怪我人は大在だが命に別状は無い。君はもう無理せず…」




杏寿郎がそこまで言ったところで、少し離れた場所で轟音と共に何かぎ飛来し砂埃が舞う。




『上弦の……参…』






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