『桔梗』
見回りの最中、緊迫した様子でどこかへ飛んでいく鴉を上空に目撃した愛梨は相棒の桔梗に鴉から事情を聞くよう話す。
しばらくして愛梨のもとへ戻った桔梗は、愛梨に那田蜘蛛山へ向かうよう伝えた。
「那田蜘蛛山デ隊士ドウシノ斬リ合イ、犠牲者多数」
『分かった、ありがとう』
愛梨は桔梗を空へ放つと那田蜘蛛山へと向かい地面を蹴る。詳しい事情は分からなかったが、先程の鴉の様子からしても恐らく只事ではない。
山の中へと足を踏み入れた愛梨が刀のぶつかり合う音を聞きつけ駆けつければ、一人の隊士が数名の隊士達に襲われ刀で応戦していた。
『村田さん!』
「こいつらは糸で操られてる、糸を切ってくれ!」
村田の言葉に目を凝らせば、月夜に照らされ光る糸が確かに見える。操られている隊士の体は関節が滅茶苦茶な方向に曲げられていたり、既に死んでいる人もいる。
『舞の呼吸捌ノ型 瑠璃の踊り子』
愛梨は流れるような動作です操られている隊士達の糸を次々と切り落としていき、全て切り終えると村田の前に戻る。
『桔梗』
「医療部隊ニ連絡」
愛梨は言わずとも自身の意図を汲み取り飛ぶ桔梗に礼を言い、唯一操られていなかった村田に話を聞く。
「癸の隊士が二人、糸を辿って鬼の元へと向かった。殺されていなきゃいいけど」
『私はその二人を追います。応急処置はしておくので、村田さんは下山してください』
愛梨はざっくりと切られた村田の腕の傷を手際良く止血し、癸の隊士達が向かったと言う方向へ向かって走り出した。
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