『不死川さんっ』
翌日、蝶屋敷へ帰る道中で実弥を見かけた愛梨は心の中でガッツポーズをして実弥に駆け寄る。
『任務帰りですか?』
「あぁ、遅くなっちまったから朝飯食って帰ろうと思ってな。お前も行くかァ?」
『不死川さんの奢りですか?』
「アホか」
実弥は近くに朝早くから開いている馴染みの店があると言い、愛梨はこの辺りで任務がある際には必ず立ち寄ろうと心に決めた。
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「いらっしゃい」
「いつもの二つ」
「はいよ」
居酒屋風の小料理屋に入り、実弥と愛梨は座敷に向かい合う形で腰掛ける。
「女の子連れて来るなんて珍しいね、彼女かい?」
『そう見えますか?』
料理を運んで来た店主は二人の前に定食の乗った盆を置くと、隅に置けないねと実弥を小突く。愛梨も愛梨でニコニコと店主の冗談を受け取り、実弥は額に青筋を浮かべる。
「違ェよ、部下だ。お前も乗っかるな」
『はーい』
「ハハハ、相変わらず堅いね」
店主はごゆっくりと言い残すと厨房へと戻り、実弥と愛梨は朝食を食べ始めた。
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