『不死川さんっ』




翌日、蝶屋敷へ帰る道中で実弥を見かけた愛梨は心の中でガッツポーズをして実弥に駆け寄る。




『任務帰りですか?』


「あぁ、遅くなっちまったから朝飯食って帰ろうと思ってな。お前も行くかァ?」


『不死川さんの奢りですか?』


「アホか」




実弥は近くに朝早くから開いている馴染みの店があると言い、愛梨はこの辺りで任務がある際には必ず立ち寄ろうと心に決めた。





****




「いらっしゃい」


「いつもの二つ」


「はいよ」




居酒屋風の小料理屋に入り、実弥と愛梨は座敷に向かい合う形で腰掛ける。




「女の子連れて来るなんて珍しいね、彼女かい?」


『そう見えますか?』




料理を運んで来た店主は二人の前に定食の乗った盆を置くと、隅に置けないねと実弥を小突く。愛梨も愛梨でニコニコと店主の冗談を受け取り、実弥は額に青筋を浮かべる。




「違ェよ、部下だ。お前も乗っかるな」


『はーい』


「ハハハ、相変わらず堅いね」




店主はごゆっくりと言い残すと厨房へと戻り、実弥と愛梨は朝食を食べ始めた。






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