うるさいうるさいうるさい。こっち見ないで。私を見るその目も、噂を声に出すその口も、なにもかもが私は大嫌い。元から好きじゃないけどもっと嫌い。何が彼氏がいるくせによ。あんたたちだってやってるのは一緒のことじゃない。恋人がいるくせにアイツに媚びちゃってさ。あんたたちが表面上でしか知らないアイツを私は知ってる。表面上でしか好きになれないあんたたちなんかとは違うんだ。結局アイツは私を選んでくれた。私を好きって言ってくれた。代々あんたらが言う彼氏とは1週間に終わったっつーの。「なまえ」総悟総悟総悟。「またなんか言われたんですかィ?気にすんなっつったろィ」「…………別に」あんな女子が何て言おうと私には知ったこっちゃない。ただ罪悪感が少しあるだけ。そしたら総悟がため息をついた。何。やっぱりめんどくさい?「俺はお前が良いっつっただろ」あぁそうか。あんな私を好きでいてくれたのは総悟だった。それじゃ私もそんなアンタが好きなんだね。いつの間にか消えてた声と視線。妙に勝ち誇った気分になれば総悟がデコピンして手を引いて歩いていった。やっぱりこんなやつが大好きだ。


20110121