先に言っとくけどな、これは警告だからな。別にアンタがちィと危ないめに合おうがそれはそれで構わないけど、絶対怪我だけはすんな。アンタが怪我するとすげぇ迷惑かかるんでィ。ちっとは、アンタを治療する医療班とか上に報告する近藤さんのことを考えなせェ。他の奴らにも迷惑かかるんだから、絶対怪我はして帰ってくんじゃねぇぞ。 追伸。アンタが帰ってきたら言いたいって言ってたこと、聞いてやるから、先に俺がアンタに伝えたいことも聞きなせェ。絶対だから。 「総悟、交代だ。いい加減寝とけ」 「いや、まだ大丈夫ですぜィ。俺には倍以上の体力と根性があるんでねィ」 「………総悟。そろそろ、」 「…土方さん。今日はな、こいつ少し笑ったんだ。いつもは口元か指動かすだけなのに」 「…………」 「もしかしたら明日には目覚めるかもしんねぇや」 「………あぁ」 本当は分かっていたんだ。もう一生アンタが目を覚まさないかもしれないなんて。ただ知らないフリをした。あまりにも受け入れたくなくて、受け入れられなくてこうして毎日毎日付きっきりで、だけど全部分かっていた。全部、全部。 約束だけは守って、傷一つ付けずに戻ってきたなまえを見て俺は自分を殴りたくなった。君が傷つけながらも笑う姿が見たくて、傷は無いが目を開かないアンタなんて見たくなかった。 あの時願った先には何があったのだろうか。 20100828 |