「花嫁さん綺麗だったね、銀ちゃん!」
「え、お前あんなゴリラがいいの?あんなゴリラになりたいの?」
「違うってば。ウエディングドレス綺麗だったねって」
「アレどう見てもデカすぎでしょ、あんなの似合うのゴリラかウルトラの母しかいねーから」
近藤さん結婚式(仮)から数日たったある日。未だに私たちの脳内に残るあの記憶。結局あの時はお妙さんのおかげでその結婚式も中止されて、なんとなく丸く収まった感じでした(真選組?どうなったか知らない)。
「じゃーん!」
「……何コレ」
女の子ってのは花嫁さんに憧れ夢見るものなのです。ウエディングドレス着たときの女の子ってものすごく綺麗に見えるんだよ、知ってた?
というわけで私が持っているのはウエディングドレス特集誌。そんな雑誌をパラパラ捲りながら2人で見ているんだけども、見ているんだけども。
「ね、どれが可愛いかな?」
「んー、コレ?」
「………」
明らかに顔で選んだよねコレ、絶対綺麗な人選んだよね。ちくしょう、こんなの着ても所詮私には似合わないわ!なによちょっと結野アナに似てるからってさ!どうせ私には似合わないよコノヤロー!
「あ、閉じんの?」
「だって銀ちゃん可愛い子探ししかしないじゃない」
それに、
結婚するか分からないし。
結婚はしたいけど、誰しもができる訳じゃない。1人で生きていきたい人、相手が見つからない人…私だってその中の1人になるかもしれない。それなら、それならこんなの見てたって意味がないよ。
「…あぁ、そうか」
後ろにいる銀ちゃんの顔は見えない。もし今私が振り向いたら、私のその悲しさに溢れたみっともない顔が見られてしまう。あぁ、嫌だなぁ。
「ウエディングドレス、どれがいい?」
「…え」
あぁ嫌だ。今度は私の驚きに溢れたみっともない顔を銀ちゃんに見せてしまったのね。嫌だ嫌だ。
…だけど、とっても嬉しい。
june bride
つまりは俺と結婚してください、
ってこと
20100627