※59巻のネタバレかもしれない





あのね隊長、一度しか言わないからよく聞いててね。あのね、大好き。好き好き、大好き。えへへへ…、やっと言えた。あのね、マルコ隊長やサッチ隊長に相談しても呆れるだけでね、ジョズ隊長は顔真っ赤にするしね、逆に私が恥ずかしくなる。ナースさんは親父さん命でしょ?隊長さんなんてあなたはまだ可愛い子供ねって言われちゃった…あ!別に惚気てるわけじゃないからね!隊長がかっこいいなって思ったから…ん?何?えぇ…いきなり無理だよ…。え、うん、うん…エー、ス。んー駄目やっぱ恥ずかしい。エースエースエース…エース…えへへへ、呼んだだけ。何?うん……え、えへへ、私も。
愛してる


あの時のことは今でもよく覚えてる。夕暮れ時の甲板の上、真っ赤に染まった夕日が私たちの頬を
真っ赤に染めた。何回も何回も名前を呼んで抱きしめあった。伝わってくる熱と呟く度に熱くなる私の心臓。今ではすっかり聞き慣れた言葉を何回も何回も言われる度にお互いの顔は笑顔に満ち溢れた。私はこれ以上ロマンチックな場面を知らない。それほど大事な思い出。

あのときと同じ言葉を繰り返すあなたに私の心臓は煮えたぎりそうに熱くなった。正義は一体なんなんだろう、罪とは一体なんなんだろう。ねぇエース。あなたの口から聞かれるその言葉に私は毎回ドキドキしていた。あなたの笑顔が大好きだった。だけどそんな顔をしながら言うその一言を私は知らない。いつも通り言って、いつものように笑って。そう願う私の言葉は、もう届かない。


















20100619