恋人-3

「華代。」

『はい。』

「もう一度言っていいかな。」

『?』

君は顔を上げた。
綺麗な水色の瞳に、僕が映り込んでいる。
僕は極め細やかで柔らかな君の頬をそっと撫でた。

「君が好きだよ。」

君の頬が一気に赤くなった。
可愛くて仕方がない。

「華代は?」

『え…?』

「まだ告白の返事を聞いていないよ。」

君は先程よりも更に赤くなり、黙り込んでしまった。
キスをしたり抱き合ったり、恋人らしい事をしておきながら、まだ告白の返事を聞いていない。
返事を聞いて、ちゃんとした恋人同士になりたい。
沈黙が僕の部屋を包んだ。
君が緊張しているのが伝わってくる。
君は僕の服を掴んだ。

『好きです…。』

「!」

『先輩が…大好きです。』

何か熱い感情が、僕の中に溢れ出した。
恋をしているんだと実感させてくれる感情を、僕は君に出逢った時から知っている。

「華代…。」

君の華奢な顎をそっと持ち上げて、君と唇を重ねた。
短いキスの後、華代は囁くように言った。

『ずっと傍にいてくれますか?』

「勿論。」

僕らは微笑み合い、またキスをした。
何度も、何度も。
お互いの愛情を確かめるかのように。





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