決意-4

「ねえ、華代。」

愛が華代の頭を撫でながら、端整な顔を覗き込んだ。
華代は俯いていた顔を上げ、首を傾げた。
愛の表情はとても真剣で、何を言うのか全く予想出来なかった。

「手術、受けよう?」

愛の言葉に、桃と僕は驚きを隠せなかった。
愛は最近まで華代の手術に猛反対していたのに。

「お兄ちゃんの話を聞いてからよく考えたの。

華代に手術受けて欲しい。」

華代は親友のいきなりの言葉に、ただ目を見開いていた。
桃はニッと笑った。

「そうだぜ華代!

光がわかんなくなったって、俺達がいるじゃねぇか。

別に失敗したっていいじゃねぇか。

結果なんて気にする事ねぇよ。」

『愛…お兄ちゃん…。』

華代の目に、再び涙が溢れた。
僕はそんな華代の手を握った。

「皆が君の見方なんだよ?

僕も結果が如何であれ、これからも君に協力する。

だから華代、手術受けよう。」

華代は俯いて泣いていた。
そして、囁くような声で言った。

『うん。』

華代はついに、手術を決意した。



2008.9.28




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