身代わり-3

僕は何mも跳ね飛ばされた。
華代が今にもトラックに衝突しそうだったのを、僕が間一髪で突き飛ばした。
代わりに跳ねられたのは、僕だった。
そこから覚えているのは、トラックの急ブレーキの音。
華代が僕に突き飛ばされて転倒した後、ゆっくりと上半身を起こしているのが見えた。
良かった、無事だったんだね。
事故の瞬間がスローモーションになると聞いていたのは本当だった。
猛烈な足の痛みで意識が遠くなった。

もしかすると――いいや、もしかしないかもしれない。
僕は死ぬのかな。

死に直面しても、恐怖を感じなかった。
君を守って死ねるのなら、本望だよ。

事故で騒然としている中、僕は意識を手離した。



2008.9.27




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