告白-3
華代は男の僕に力では敵わないと分かると、僕の肩辺りの制服をぎゅっと握った。
その行動の意図は僕には分からなかった。
『その希望の光に裏切られたら私は如何すればいいんですか…っ!』
叫ぶように言った華代は泣いていた。
まるで僕に縋るかのように、僕の制服を掴んでいる。
「僕が君の目になるよ。」
『!?』
華代は驚き、また硬直した。
これは僕の本心だった。
「僕が君を支える。
僕だけじゃない。
愛だって桃だってそうだよ。
だから、逃げないで。」
僕の気持ちが届いたのかは分からない。
君はじっと僕に抱き締められていた。
君の艶のある髪から優しい匂いがした。
清楚な君らしい匂いだった。
『……先輩。』
「ん?」
僕は君を抱き締め直しながら応答した。
君の声は掠れていて小さかった。
抱き締められている君は自然と僕の耳元で話しているから、僕には君の声がよく聞こえた。
『如何して、此処まで私の為に言ってくれるんですか…?』
僕は君をそっと離した。
盲目の君には分からないけど、僕は穏やかに微笑んだ。
「君が好きだからだよ。」
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