任務終了

雅はサソリが護衛の忍を始末している間に、金になりそうな着物や食糧を封印の巻物で盗んだ。
此処は最終的に爆破されてしまうのだし、持ち去らなければ勿体ない。
護衛の忍はサソリのヒルコで充分に殺れた。
三代目風影の傀儡や雅の手を借りるまでもなかった。
雅は大量の封印の巻物を、更に別の巻物に封印した。
その手つきは終始一瞬の乱れもなく、サソリは雅が手馴れているのを感じた。
まだ肝心のターゲットを始末していないが、早くしろと催促する必要もなかった。

「終わりました」
「なら行くぞ」

城から避難しようとしていたターゲットを発見したのは、雅が潜入捜査で発見していた隠れ扉の前だった。
城の角部屋にある壁の掛け軸裏に、その隠れ扉があった。
其処には、サソリが待ち受けていた。
サソリは護衛の忍をあっという間に始末した。
怯えているターゲットは凍えるような冷たい殺気に振り向き、黒衣の暗殺者を見た。

「あなたを殺します」

此処でもサソリは早くしろと催促しなかった。
雅は恨みを晴らす為にターゲットを始末するのだ。
それを急かしたくはないし、雅がターゲットを追い詰めて殺す様は見物だ。





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