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▼妄想 AKUMA/kuro
(2021.04.24 移転完了)
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桜の木の下、はにかむように笑う君を見ていつまでも変わらないでと願った。いつまでも一緒に、おじいちゃんとおばあちゃんになってもずっとずっと一緒にいようね、なんて。そうやって君の笑顔と体温はいつだって僕を甘やかすんだ。だから僕もいつものように君の桜色の唇から零れる言葉と声に当たり前だよって返す。絡めた小指はきっと赤い糸で繋がってて、だから僕達はもう離れる事はないんだって。…それなのに歯車はいつから回り始めていたんだろう?気付けばいくつもの季節が僕たちの間を通り過ぎていて、僕たちが幾度となく見上げていた桜は君の肩には花を散らすのに、僕の肩には散らしてくれない。僕は必死で君を見ようと思うのに、君の瞳に僕は映らない。君はただ僕だけが切り取られた空間を見つめて呟いた。ずっと愛していたかったのに、と。震える小指を伸ばして。