「やっ…ぁっ、そこっ……!!」
切なげに体を震わせ、与えられる快感に耐える名前。
その内部を、安室は自らの指2本使って優しく慣らしていた。
「またイキそうなんですか?」
「…や、あっ!!そこ触っちゃっ……アアァッ!!!」
名前が赤井とそういう関係なのだろうという事は、2人の態度から安室にも察しがついていた。
けれど、それは赤井が今の安室と同じように一方的に寄せている想いからなのだろうと思っていたし、恋人としてのそれではなく、体を許し合うだけの関係なのだろうくらいで、そこまで気に止めてなかった。
…赤井には個人的な対抗心があるものの。
名前が笑っていられてるならそれで、無理に自分が引っ掻き回す事もないだろうと思っていたから。
─── が。
それなのに赤井は心を許していた名前を簡単に組織に奪われただけでなく、ジンに無理矢理体を開かれるという自体にまで繋げてしまったのだ。
あのジンの事だから優しく抱いたはずもないのは安易に想像がつくし、それを裏付けるように名前の体にはいくつもの痛々しい痕が残されているワケで。
「ひっ…!!」
片手で名前の足を固定し、内部に出し入れしていたもう片方の指で名前の敏感な部分を何度も何度も擦った。
「やっ、あっ!!…ダメ!あっ、ふぁ…っ!やああぁっ、!!!」
優しい指使いから一転し、中指と薬指を使って安室が激しく出し入れしてやると、名前の背がビクン!と仰け反ってイったのがわかった。
「っ……」
「可愛いですよ、名前」
イったばかりの名前に口付けを落とし、その歯列を舌で優しくなぞりながら。
安室が内部に入れてある指をわざとぐちゃぐちゃと音がするようにゆっくりと出し入れをしてやれば、
「ぁっ…!お、と…や、だ…!」
ふるふると首を振って。
耐えるように目を瞑る名前の、何と愛おしい事か。
「音?…これですか?」
ぐちゅ!
「─── ッ!」
ニッコリと微笑んで首を傾げ、名前の内部に入れてある指でわざとらしく水音を立ててやった。
それに抗議しようと名前が腕を上げると、
「ダメですよ、怪我してるのに。じっとしていて下さい」
「誰の、せいでっ……!!」
「…嫌でしたか?」
悲しそうに柳眉を下げて名前を窺う安室。
安室のその瞳の中に映る本当に哀しそうな色を読み取ってしまった名前は、思わず抗議の為に上げた腕を下ろしてしまった。
「…フッ。大丈夫ですよ。今は応えてもらえなくて構いませんから」
それに気付いた安室は片頬を釣り上げて笑うと、名前の頭を優しく撫でた。
─── だって名前と両想いになれるだなんて、そんな事。
それは恐らく自分の一方的な想いでしかないのだろう事は、きちんと分かってるから。
「ただ、今だけは我慢できないんです」
─── 本当はずっと、ずっと前から。
手に入れたいと願ってしまっていたから…
こんな状態であるあなたを見てしまったのであれば、尚更。
「……っ」
─── だからどうか、今だけは。
「好きです。名前…」
─── 僕の声を聞いて。
それが仮令、向き合うことのない想いだとしても。
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