雨が降っていた。クィディッチの前日なのにキャプテンが体調管理をおろそかにして、と仲間に文句を言われそうだったが急に外に出て雨に打たれたくなった。彼女とは玄関ホールで落ち合う約束になっていたが、敢えて外に出た。彼女の心配する顔が見たかったのかも知れない。きっと彼女は俺が外でこうして雨に打たれていると知れば自分が濡れるのも構わずに飛び出してくるだろう。想像して笑みがこぼれた。でもそうなって後に困るのは俺。明日の試合に彼女の応援がなかったら守れるゴールも守れない。あれやこれやと考えていてふと思った。少し自惚れているな。彼女はもしかしたら俺のことをそんなに好きじゃないかも知れない。明日は生き残った男の子の素晴らしいシーカーや、息の合った双子のビーターを応援しているかも。ははっと、自嘲気味に笑うと雨が目にしみた。泣いているみたいだ、と思った。


君を待つ雨の午後
それは彼女がタオルと傘を持って駆け寄ってくる前の、二分間の出来事だった。


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