光の早さで会いに来い
それは大きな我が儘と小さな甘え。


「ナマエ、」
「なに、リドル」
「次から僕が呼んだら光の早さで会いに来てよ」
「無理言うな馬鹿。姿現ししても無理だから」
「あれ?今馬鹿って言った?ナマエのくせに馬鹿って言った?」
「痛い痛い痛い痛いすみませんすみません謝るから頭ぐりぐりしないで」

唐突に何を言いだしたかと思えば。光の早さで会いに来い?この人は私を何だと思ってるんだ宇宙人ですかコノヤロー。呆れて溜め息をつくと、短い間を置いてリドルがポツリと呟いた。

「ナマエは僕が嫌いなのかな」
「……そんなこと言っても出来ないものは出来ないからね」
「何故だ!君は僕の彼女だろう?闇の帝王の妻になるのだからそれくらいできなくちゃ「殴られたいのリドル」

ああもう面倒くさい。本当に面倒くさい。言いだしたら聞かない彼のことだ。私は本当に光の早さで彼に会いにいく術を学ばなければいけなくなるかも知れない。

「それじゃあリドルは、私が光の早さで会いに来てって言ったら会いに来てくれるの?」

リドルが悩む姿が見たくて聞いてみた。が、無駄だったらしい。

「会いに行くよ、君が望むなら」
笑みが消えた真面目な表情で見つめられた。少しだけ、心がチクリと痛んだ。


光の早さで会いに来い
「でもやっぱり無理なものは無理」
「そんな!折角一芝居うったのに!」
「……リドル」


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