つい出来心で
2009/06/13 17:05
気まぐれで短編書きました。
文章苦手な方はご注意下さい。
登場人物は遊戯と獏良です。
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終礼が終わった後、帰る準備をしながらふと外を見ると、雨がぽつりぽつりと降り始めていた。
そういえばもう梅雨だなあとぼんやり思っていると、獏良君の声がした。
「遊戯くん、今日一緒に帰ってもいいかな?」
ボクはもちろん、と笑顔で答えて、二人で昇降口に向かった。
雨は大人しく、しとしとと降っている。
帰り道ボクたちは、水色がかった透明な傘を二つ並べて、いつも通りの他愛もない話をしていた。
ところが、別れ道が近くなった頃、突然獏良君の歩みが遅くなったことに気付いた。
「獏良君、どうしたの?」
そう訪ねると、獏良君はボクに向き直って、ボクの顔を見ながら落ち着いた声でこう言った。
「僕は、遊戯くん達と出会えたことがすごく嬉しい。」
「ボクも獏良君と出会えて嬉しいよ。…でも、どうしたの?」
ボクが笑うとも困るともつかない表情でそう返すと、獏良君はふっと少し笑顔になって、少し遠くを見た。
そして獏良君は、降り続ける雨と同じように、またゆっくりと話し始めた。
「こんな風に一緒に帰ったり、とりとめのない話ができること、ずっと友達でいられると確信して過ごせること。こんな普通に思えることが、僕にとってすごく幸せなんだ。」
そう言った獏良君の傘が、ふわっと地面に落ちる。
雨に溶けるみたいだった。
ボクは、濡れることを気にもせず立ち続ける獏良君に気を取られて、傘をすぐに拾うことができなかったが、遠くで聞こえる車の排気音によってはっと我に帰り、
「ボク達は、ずっと友達だよ。これからもずっと!」
という言葉と共に、傘を拾って渡すことができた。
二人で顔を見合わせて微笑み、また並んで歩き始める。
雨はもうすぐ止みそうだ。
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色んな意味でヤバいです!!!
恥ずかしさ的にもヤバいです。
やっぱり大人しく絵描きます。
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