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屍姦

【屍姦】
日が登らぬ朝はなく、日が暮れぬ夜はない。今日も幸男さんの体は冷たくなって、こと切れた。 隣で手を握る俺を、置去りにして。
そんなに不安なら、好きにしていいと言う言葉の通り、俺は冷たさと共に硬くなる身体に熱を灯そうと躍起になる。割り開いた胎内は俺の形にぴったりと沿っているのに、寄り添うためのアンタがいない。
必死に掻き抱いて、首を絞め上げて、胸を殴り、それでも呼吸は戻らない。気が狂いそうだ。そんな俺を嘲笑うように朝日が登る。それを忌々しく、救世主に縋るようにみつめるけれど、その朝日が、いつか、煌々と、アンタがいなくなる日を映し出すのをなによりも恐れている。



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