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踏切

【黄笠】
踏切の向こう側で立ち尽くした彼を、黙って見つめる。走る列車が視界を塞ぐより一瞬先に彼は背を向けて、海へ続く一本道を走る背中を風に煽られながら眺めた。追いつくことなんて分かりきっているのに。
#リプきたCPで書く予定のない小説の一節を書く

だから、鳴り止まない警告音はアンタにとっての最後のチャンスだよ。風が収まらないうちにそれを巻き込みながらもう一本列車が走りさって、かき混ぜられた空気が前髪で視界を塞いだ。
かきあげ開けた視界の先に、アンタはいない。でも絶対に逃がさないから。ゆっくりと遮断機が上がる。



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