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雨宿り
錆びたシャッターの閉まった軒先は密室の様で、日に焼けた縞模様のビニールに当たる雨粒と互いの押し殺したような呼吸の音しか聞こえなかった。二人きりを、意識している。
「ちょっと寒いっすね」
唐突な土砂降りに、通りには誰も居なくて、こっそりと指を絡めた。
#kks74_60min
体温が濡れた身体を温めて、雨と自分のものではない汗の匂いがした。
「止みそうにないっすね」
「そうだな」
「それまでこのままかな」
「もうお前黙れ」
声音から緊張が伝わってきて黙らせたのに、沈黙が腹の奥から耐えきれない熱を連れてきた。こんなの今更だと思うのに、恥ずかしくて堪らない