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漂流物

浜には様々な物が流れ着く。それはただの流木であったり、流された漁師の網だったり、何処かで沈んだ船の積荷だったりした。時は塵になりきらない大きな海洋生物の遺骸が上がったり、人の死体が上がったり、そんな後味の悪い物も上がってくる。
幸男がそれを見つけたのは、早朝に浜に貝を拾いに行った時だった。昇りきらない朝日を受けて、それはキラキラと光っていた。金を織り込んだ錦糸のような髪は、海水と砂に塗れて白い肌に張り付いていた。
波打ち際に横たわるのは、見窄らしい水死体だった。まだ死んでさほど経っていないのか、顔や手足はまだ水を吸って膨れていない。見慣れぬ金の鬘は、位の高さを物語っているようだった。良く見れば砂にまみれた衣服もモノがいい。幸男は死体の懐をまさぐった。



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テーマ「人外ファンタジー」
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