02/素直になれなんて馬鹿げてる

あのあとは大変だった。
手を繋いだまんま戻ったもんだから
円堂教もとい円堂狂の面々に視線で殺されるんじゃないか、ってくらい熱い眼差しを頂いた。
まぁ実際そのあと視線だけじゃなく、練習で必要以上のタックルも頂いたわけですが。


(なんなのあいつら!!楽しくどころか円堂と一緒にいたらマジで殺されそうなんですけど)


そんなことを思うようになり、俺は前以上にあいつら(というか主に円堂)と距離を置くようにした。


そうしてからは平和だった。
あいつらも俺と円堂を極力近づけないようにしていたのもあり、円堂と話す機会もなくなった。

それで俺は満足だった。
誰にも関わらないで、サッカーさえ出来る環境。

それで良かったのに……


そんなささやかな願いを打ち砕くように、鬼道ちゃんが凄い形相で話しかけてきた。

「……な、なんだよ」

「何故円堂のことを避ける?」

いやいや!お前らのせいで俺の命が危険に晒されるてるからだよ!

「別に避けてねーよ」

「嘘をつくな!円堂がお前に嫌われたかもしれないと落ち込んでいた……どうしてくれる」


ええええ!?
円堂に話しかけたら話しかけたで殺されそうになって
避けたら避けたで、お前ごときが円堂様を無視してんじゃねーよ的な雰囲気で責められてんだけど。

もうなんなのほんとこいつ嫌い!!


「それに不動」

「あ?」

「ちゃんと構ってほしいなら態度に出さないとあいつには伝わらないぞ」


まぁ素直になったところでお前なんぞに円堂は近づけさせないがな。

ヒーロー気取りかこのやろうなマントを翻して去っていく鬼道ちゃん。

え、なに、構ってほしいとか。

それじゃあまるで俺が円堂のこと好きみたいじゃねーかよ!
ふざけんな!!

「あいつの方が俺のこと好きなんだっつーの」


とか自分でいってうれしいとか思ってる俺、ちょっと疲れてんのかな。








円堂とかどうでも……トゥントゥク…あれ、これって?状態不動くん。
鬼道さんは皮肉のつもりだったのに自覚させちゃいました。

続きます。


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