「I Love You」はまだ言えない



円堂が好きだ。

そう俺が自覚したのは円堂とPK対決をしていたとき。

俺が蹴るボールを楽しそうに取る。ゴールを入れられると悔しそうに、でもやっぱり楽しそうに次!なんてまたボールを俺に渡す。

一時間以上そんなことを続けていても飽きるどころか、俺はずっと続けていたいと思っていた。


「一之瀬は凄いなぁ!俺もっとお前とサッカーしたい!!」

「ああ!俺もだよ円堂」


まだ出会って数時間。それでも俺は確かに円堂を好きになっていった。

こんな凄いやつとサッカーが出来るなんて、と。


「トライペガサス、やってみないか?」

だからこそ、円堂と完成させたかった。
アメリカに帰る前に、円堂と何かちゃんとした繋がりを作りたかった。

でもトライペガサスは難しい。
何度も失敗して諦めそうになっても円堂は諦めなかった。
やっぱり凄いやつだと俺はまた円堂に惹かれていく。


「トライペガサス!!!」


アメリカに帰る前までの許された時間。ギリギリまで粘って完成させたトライペガサス。


あぁやっと繋がりが出来たんだ!


俺は今まで感じたことがないくらいに身体中、歓喜で満ちていった。
と同時にこのままアメリカに帰っていいのか、円堂と離れてもいいのかと自分になげかける。

だってそうだろ。俺は円堂のこと

(えんどうのこと?)


「俺まだ円堂とサッカーしてたいから……これからよろしく!」

「あぁ!!よろしくな!」

俺がまだ日本に残って円堂とサッカーをすると告げると
太陽みたいにキラキラ輝く笑顔で頷いた。

その笑顔を見てPK対決の時を思い出す。

(あ、)

あの時思った好きはきっと




俺は円堂のことが『好き』なんだ





語る一之瀬、ログアウト土門。
萌えた勢いで書いたら怖いくらい一之瀬が語ってくれたよ!