「おわっ?!
び、びびった…」
顔を洗い、リビングに戻ろうと方向を変えれば真後ろにレッドがいてそれに驚く。
気配感じなかったというか、あまりに無すぎるだろ、お前は。
「…」
当のレッドはというと、まだはっきりと覚醒していないのか、ぼんやりしているというかはっきり言って目が開いてない。
待て、ひとの真後ろで立ったまま寝るな。
「レッド、顔洗うのか?」
洗面所にいて聞く質問でもないと思うが一応聞いてみる。
するとレッドは閉じていた目を半分ぐらい開けるとまだ眠そうな顔でおれを見てきた。
「?
違う、のか…?」
じっと見つめられるそれに戸惑っていると、レッドが一瞬視線を外したかと思うと、
「?!」
がばっとレッドに抱きつかれた。
それに固まる他ない。
「ど、どうした?」
寝ぼけているんだろうか。
つーか、眠いならまだ寝てりゃよかったのに。
「……んー」
「レ、レッド、眠いならまだ寝てていいぞ?」
ぎゅう、と抱きついてくるレッドにどきどきしつつそう言ってみる。
今日はオフだからゆっくりしても問題ないし。
するとレッドはおれに抱きついたまま、
「……だって、起きたらグリーン…いなかったから…」
今にも眠りそうな声でそんなことを言ってきた。
「え?」
「…グリーン」
レッドの腰あたりを掴んで支えているけど、レッドが意識手放したらずるりと落ちそうだ。じゃなくて。
なんだって?
レッドの台詞を頭のなかで再生しなおしてなんかいたら、
「…おやすみのちゅー」
へら、とレッドが笑ったかと思うと、少し背伸びをしてきておれにキスをしてきた。
それに本日二回目、固まる他ない。
「っ?!」
そしてレッドの体から力が抜けると、かくんとその体が落ちそうになって慌てて支える。
見てみればレッドはすやすやと規則正しい寝息を立てていて。
「……。
…〜〜っ、…っ…なんだよ、おやすみのちゅーって…!」
そんなの初めてなんですけど!てか、笑ったよな?!めっちゃかわいい!可愛すぎる…!!
「〜〜〜っ」
不意打ちなそれにおれは顔を赤くすると、おれの腕のなかで眠るレッドをぎゅうと抱きしめた。
←