「勝者、レッド!」
そう言われた瞬間、僕は勝ったんだ、と。
嬉しかった。
今まで旅をしてきていろんなことがあって、いろんなことを乗り越えてきて、みんなと笑って泣いてここまで来た。
それがいま報われたんだ、と。
純粋に嬉しかった。
だけど。
「…なんでだよ!なんでおれはレッドに勝てない?!」
「グリーン…?」
勝負で勝つ者がいるなら、負ける者がいるのは必然のことで。
そして僕の場合、それは今まで同じ道を旅してきたグリーンだった。
幼なじみで友だちでライバルで、ずっと憧れてた存在。
「なんでレッドなんかに…!」
「グリーン…?どうし、!」
パシン、と伸ばした手を叩かれ、それに驚いてグリーンを見てみれば、僕の目には。
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