「…レッド…?」
数年ぶりに見たライバルは、幼なじみは。
「……久しぶりだね、グリーン」
「…っ」
冷たい雪のように微笑む顔。
今まで見たことないような顔。
知らない。
あんな顔したあいつなんて知らない。
前はおれに、笑ったり、泣いたり、怒ったりしていたのに。
今は、能面みたいに表情がわからない。
笑っているのか、泣いているのか、怒っているのか。
「…」
ただ、小綺麗なその顔に微笑を浮かべて瞳には光り一筋さえも灯っていなくて。
「……バトル、する?」
「!」
光りの灯らない赤い目がおれを見つめる。
嘘だろ。なんでこんな。
おれが会いたかったのは、こんなレッドじゃない。
泣き虫で意地っ張りで頑固で、だけどどんなに辛くても諦めなくて最後まで強かった。
それなのに。
「…お前はレッドじゃない」
今、おれの目の前にいるのは誰だ?
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