ほし

ねぇねぇみなみちゃん。星が綺麗だよ。まるでみなみちゃんみたいだね。そう思わない?ほら、あのキラキラ光ってるの。

みくにちゃんの指し示す方向に輝くものは、柔かな光を見せる1つの星。月明かりの力もあってか、触れるとじんわりと暖かそうな光を放つそれに私は隣にいてくれるみくにちゃんそのもののように思えた。

「あれはみくにちゃんだよ」
「えー。みくはちがうよー」
ぶーぶーと唇を尖らせて、笑ってみせたみくにちゃんは、あれはみなみちゃんだよと先程と変わらぬ言葉を紡ぎ出した。
どうして私なの?と問いかけたなら、みくにちゃんはだって…と言いかけてなにか思い出したのか、それとも企んでいるのかにんまりと笑って私を抱き締めてこう言った。
「キラキラ頑張って光る姿は頑張り屋さんなみなみちゃんにぴったりだよ。みくはそう思います」
「そっか」
「あとねー。あの星はたまに隠れるように光るのを止めちゃうから、みなみちゃんみたいだなぁって」
「私?」
「すぐに照れるでしょう?」
今だって顔が真っ赤だもん。そう悪戯気に笑ったみくにちゃんに言われて、私は初めて自分が照れていることに気付いた。
まったく。みくにちゃんには敵わないなぁ。なんて思うほどに、私は彼女に振り回されているのだ。


「星が綺麗だね、みなみちゃん」
「そうだね。綺麗」
「みくはみなみちゃんが大好きです」
「そっ…そ、う」
「また一緒に星をみてくれる?」



可愛くて、だけどすこしかっこよくも見えて。
だから私は無意識に頷き、みくにちゃんの腕の中で小さく笑った。
もちろんだよ。また一緒に見ようねと伝えて。



*終*
勢いのまま書くのって楽しい
いつものことですが

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