「ただいま、ひとみママ。しずかママ」
「おかえり。楽しかった?」
「佳奈と香里、どうだった??」
「いつも通り美静ちゃんが大好きだった」
可愛い我が子が、片思いの子のお家から帰ってきた模様。
もうすこしたったら春にはなるけれど、まだ肌寒い中お出かけしてきたからだろう。
可愛い頬が、真っ赤に染まり。やや鼻も赤くなっていた。
「外寒かったでしょう?おいで」
「もう4歳だからいい…」
「ママ泣いちゃうなー」
ちらっと私を見てから、静さんにそう告げる佳香。
きっと私に遠慮しているんだろうな、とすこしさみしい気持ちになる。
だって、まだ4歳なのに親に気を使うんだよ?
まだ遊び盛りだし、自由にすればいいのに。
「静ママ、佳香に抱きしめてもらわないと本当に泣いちゃうよ?」
泣きまねする静さん。
やはり仕事柄上手だな…って今は違うか!
私の言葉に、うー…と小さく唸るとその小さな手を静さんの腰へと回す。
その行動に毎回幸せそうに笑う静さん。
うん。いい風景じゃない。
「佳香ー。私にもぎゅってして」
「うん…」
こくりと頷くと私の首に腕を回す。
もうそんなに照れちゃって。ほっぺ真っ赤だよ?
小さな体を包むように抱き締めるとそのまま立ちあがる。
「うわー。高いね!」
嬉しそうな佳香の表情に自然と頬が緩む。
「もう、本当に可愛いっ」
抱きしめる力を強めれば、きゃっきゃと笑いながら私の頬に口づけた。
「私も、ひとみママ大好き!」
その言葉を聞くだけで、私もすごく幸せだよ。
周りに花びらが舞うってくらいのオーラが出ている中、静さんが不満そうに私に抱きついた。
「仁美さんだけずるい!私も佳香にちゅーしてほしいな?」
「じゃあ、しずかママにも!」
ちゅっと可愛い口づけを頬にする佳香。
そんな可愛い我が子に私同様悶える静さん。
そうだよね。
可愛いよね、佳香。
佳香を床へと下ろして、一通りはしゃいだ後。
静さんが佳香の手を両手で包む。
「それじゃあ、佳香も帰ってきたことだしお風呂入ろう?」
「ママたち入っていなかったの?」
「うん!佳香と入りたかったもん」
私たちの言葉に、嬉しそうに笑いながらも、床を見つめる佳香。
「あのね、ママたちと一緒にお風呂に入れるの、嬉しい」
ぎゅっと私と静さんに抱きつくとぴょんぴょん飛び跳ねる。
「それじゃあ、3人でいちゃいちゃしようか?」
「佳香の頭洗ってあげる!」
「ね?ママ!いちゃいちゃってなに?」
「んー?お風呂でゆっくり教えてあげるよ??」
今日も1日、幸せだったなー
【つづく、かも】