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今日は、私の両親の日常を紹介してみようと思う。


朝7時、静ママ起床。
眠そうな顔で起きると、仁美ママを起こさないように音をたてずにキッチンへと向かう。
このとき、私も一緒に起床する。


「佳香、おはよう」
「おはよう、静ママ」
優しく笑う静ママに私も笑みを浮かべて挨拶すると朝食の手伝いをする。

「佳香ももう中学生かー。月日がたつのは早いね」
「静ママは年々綺麗になってるよね」
「嬉しいこと言ってくれるじゃない」

そういって、額にキスする静ママは、朝食つくりの続きに取りかかる。
すっかり習慣になっている行動の1つである。


「今のことは、仁美さんには内緒ね」
「なんで?」
「そんなの決まってるでしょう。ずるいって言いながら、私と佳香両方追いかけてくるよ」
「あー…なるほど」


本当は仁美ママとイチャイチャするの好きなのに。素直じゃないな、と毎回思う。
もしかして…

「仁美ママが自分意外にキスするの嫌なんでしょ?」
からかうように言うと、静ママの顔は一瞬で真っ赤になる。
やっぱり静ママは可愛い。
「そ、それもあるけど…。佳香にキスするのは私だけがいいの」
笑う静ママに毎回私は照れてしまう。
朝からほんわかとした空気をかもし出しながら、気づけば朝食は完成していた。


「佳香、仁美さんを起こしてきてくれる?最近、佳香が構ってくれないって拗ねてたから」
「はーい」

返事をしてから、仁美ママがいる寝室へと向かう。
布団にくるまる仁美ママ。
とりあえず、肩を揺すってみるが効果なし。

「仁美ママ、おきて」
「しず…、佳香なの?」
「佳香です。ほら、はやく起きて」
布団をはがそうと手を伸ばすと、仁美ママは私を抱きしめてきた。
よって、私は仁美ママの上に覆い被さる形である。

「佳香は年々静さんに似てきてるね。綺麗になって…」
「仁美ママ…結婚前の新婦の父親みたいだよ」
「いいのー。私は佳香の父親みたいなものだもん」

ああ、もう。
なんで仁美ママはこんなにかわいいんだろう。
甘えるの上手いからな…。

「とりあえずはやく起きて!」
「…やだ。久しぶりに佳香とイチャイチャできるもん」
「そんなこといってたら、静ママ怒るよ」

ため息をつきながら、私は未だに駄々をこねる仁美ママの頬に口付けた。


「これでいいでしょ…。ほら、はやく」
「愛がこもってないー」
「…仁美ママ。あんまりしつこいともう一生話さないよ?」
「ごめんなさい…」




こうして無事ベッドから抜け出した仁美ママを確認すると、手を繋ぎながらリビングへと向かう。



【つづく】

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