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【※子供たちは高校生くらいな設定】
朝、目を覚ますと大好きなママたちが小さくなっていた。
取り敢えず訳がわからなくなった私は、幼馴染みの佳香ちゃんのところへ向かった。
インターホンのボタンを連打していると、しばらくして佳香ちゃんが扉を開けてくれた。
「どうしたの?」
「あの、ね。かおちゃんとかなちゃんが、、」
両親の名前をだした瞬間、佳香ちゃんは私の言葉を代弁するかのように口を挟んだ。
「幼稚園児くらいになってたんでしょう?」
「そうそれ!…ってなんで佳香ちゃんが知ってるの」
「だって…」
苦笑する佳香ちゃんの脚から小さな子供が2人こちらを伺っていた。
「あれぇ?美静ちゃん」
「なんでそんなに大きいの?」
「仁美ママも静ママも同じ状況なの」
どこか楽しげに笑う佳香ちゃんは、仁美ちゃんと静ちゃんを抱き締める。
「私はこの2人で手一杯だから、手伝えそうにないんだ。ごめんね」
「ううん。いいの!」
まさか佳香ちゃんのお家まで同じ状況とは…。
佳香ちゃんに別れを告げると急いで自宅へ戻る。
「美静どこにいっていたの!」
やや舌ったらずな喋り方で迎えにきてくれたのは佳奈ちゃんであろう子供。
「ごめんなさい。佳奈ちゃん」
「私もしんぱいしたんだよ!美静」
こちらも舌ったらずに話すかおちゃんらしき子供が私の脚をぽこぽこと叩く。
全然痛くなくて、むしろくすぐったいくらい。
「なに笑ってるの!」
「ごめんなさい」
しゅん、と項垂れると佳奈ちゃんが私の頭を撫でてくれた。
「かおりちゃんが、美静をいじめてるー」
「ち、ちがうもん」
大好きなママたちが、まさかこんなに可愛いとは…。
「佳奈ちゃんありがとう」
ぎゅ、と佳奈ちゃんに抱きつくとかおちゃんが体育座りをしていじけだした。
このころから、かおちゃんは弄られやすい子だったんだね。
さすがかおちゃん!
これからどうしよう。
そんなことを考えながら、私はかおちゃんを抱き締めて微笑んだ。
【つづく】
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