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ージ3

『ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ……』

「……あー、わかったからさ、その呪いをかけるみたいな感じ止めてくれよ…」

「あはは……」

 ぶつぶつと念仏を唱えるように謝罪を繰り返す憑喪人形に、燿は若干引き、双葉にしがみつく。双葉は苦笑いを浮かべていた。

 そして捺波の元には雷鬼の姿。背後から斎希や神流に殺気を当てられても、雷鬼はびくともしない。寧ろ内心『オレ、そんな真似したか?』と呑気に考えていた。

『捺波……っつったよな? 何か、悪かったな』

「…」

 ふるふると首を横に振る捺波。どうやら、気にしていないのだろう。それぞれの謝罪が済んだのを見計らい、照姫はこほん、と咳払いする。

『して、七隊を束ねる責任者はどの者だ?』

「私だよ」

 す、と前に進み出たのは、十六夜。照姫はフッと笑みを浮かべた。

『良い目をしてるな、うぬは。…これなら、心配無用だな』

「心配も何も、私たちは世界のあるべき姿をブレイカーから守ってるんだ」

『…あるべき、姿、か』

「……?」

 照姫の表情が一瞬曇る。その表情を見て、事情を知っていた雷鬼と憑喪人形は顔を見合わせていたが、七隊は気づかなかった。

『では、ブレイカーを集めた場所行くぞ』

「集めた、だと?」

 神流の言葉に、照姫や憑喪人形、雷鬼は頷いた。雷鬼はウキウキと楽しそうに言う。

『だってさ、久々の敵襲来ってやつだぜ?
身体を動かすのにちょうどいいし! たまーに刺激が無きゃ人生損するし! な? お前らもそう思うだろ?』

『…うぬは毎度毎度、刺激を受けてるではないか。お仕置きという名の』

 呆れ混じりに照姫が言えば、雷鬼はそうだったなー、と屈託のない笑い声をあげた。

『…トコロデ、雷鬼クン、サポート、必要ナンデショ…』

「早く行かなくて、良いのですか?」

 憑喪人形と斎希に言われて、彼らはようやく動き出した。

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