輪廻の花園


空が軋むような
音を聞かせて
僕はまた君を置いてゆく

貫く悲鳴を
振り切り逃げる
そんなふうに刃を持って

傾く太陽に
滲んだ声
みんなが飽和した世界で
なぜか君の
縁取りは
やけに明瞭すぎて


僕は今日死ぬんだ
君だけに教えよう
武器を手放す術を知らずに

僕は今日死ぬんだ
君だけに囁こう
生まれ堕ちた術を見ないまま

僕は今日死ぬんだ
君だけを愛してた
唇からは息だけが漏れ出る

僕は今日死ぬんだ
君にも告げられず
妄想の際で花園を枯らす



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