画布


事切れた季節を塗って
褪せた景色を
瞳に映す

曖昧な現実の色は
どうにも筆では
表せなくて

混ざる 流れる 消える
刹那にうごめく
大きな生き物
そんな世界は僕には
息をするには少し
しんどいようだと知った


霞む月に
別れを告げて
何度僕は
君を愛せるのか

閉じこもった
容器の中で
時に僕は
絶望するだろう

浮かぶ問いは
何にも溶けず
さ迷う筆に
絡めずに落ちてゆく

水を求めて



[ 83/137 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

↓サーバー広告↓
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -