「他の守護者ってどんな奴アル?」

彼女はたまに爆弾を投下する。獄寺のダイナマイトよりも強力な爆弾だ。
その証拠に、綱吉の動きがぴたりと停止した。



今、綱吉達は真選組にいた。部屋には万事屋から来た綱吉含む四人と、真選組に身を寄せる獄寺と山本、隊長である沖田がいる。
定期的な連絡の取り合い。今日はそのために集まった。
しかし、目新しい情報は双方なく、話し合いは早々に雑談へと変わる。話題は綱吉達の世界…正確には綱吉達の元の世界での生活になり、そこで守護者の話が出たのだ。

「全員で七人なら、あと四人いるはずアル。どんな奴アルか?」
「お前等の仲間って事は、戦えるンだろィ?」
「えぇ、まぁ…」

さぁて、彼等をどう紹介しようか…。
綱吉が言葉を選んでいると、先に獄寺が短く答えた。

「気に食わねぇ」

獄寺は苦々しそうに言う。考えてみれば、彼と四人の関係は良いとは言えない。

「そんな事ねぇって獄寺。先輩はいい人だし、雲雀は強いし」

山本は基本人を嫌わない。彼からすれば、守護者は全員いい人だろう。

守護者に会ったことがないこの世界の人は、二人からまともな説明を聞くのは無理だと判断した。
すると、自然に視線は綱吉に集まる。あぁ、予想はしていたさ。

綱吉は一人ずつ、それぞれの特徴を思い出す。

「ええと、一人はランボって名前で、まだ五歳の男の子。俺の家に居候してる」
「五歳アルか?」
「えっ、何でそんな子供が?」
「さあ?まぁ、かなりのトラブルメーカーだよ。十年バズーカとか手榴弾とか十年バズーカとか…」
「かなりうざくもありますよ、十代目」

神楽は十年バズーカとは何かと聞いてきたが、軽く誤魔化した。知らないで良いこともある。どうせこの世界にはないのだ。

「あと、お兄さん」
「笹川先輩はいい先輩だぜ!」
「…何で山本はそんなにそいつを褒めてるンでィ」
「んー、運動部仲間だからでしょうか?お兄さんは一つ上の先輩で、ボクシング部の部長何です」
「俺等がピンチの時に、体育館を素手で吹き飛ばしてくれたのな」
「……そいつは本当に人間かィ?」

沖田は呆れたように言う。
否定したいが、体育館を粉砕したのは真実だ。それも、まだ未来で鍛えられていない時の話。ボクシング部だが、一般人であの人に素手で適う人はいるのだろうか。

綱吉はごほん、とわざとらしい咳をして話を続けた。

「骸とクロームは…ちょっと難しいですね」

難しいのは説明なのか、人としてなのかは言わないが。

「骸って…凄いネーミングセンスだな」
「何でも六回、輪廻を廻ったとか」
「電波か」
「ただの電波だったら苦労はなかったですよ」

綱吉は考える。もし、彼がただの幻術が使えない人間だったらどうなっていたのだろう。
その疑問がまとまる前に、獄寺は忌々しそうに言う。

「彼奴は気に食わねぇ」
「獄寺、お前はそればっかじゃねぇか」
「あー、まぁ、初めて会った時の第一印象が悪かったからな…」
「何かあったアルか?」
「初めて会った時は命狙われて…」
「何でィ、それ」
「しかも、それは今も継続中」
「何でそんな奴仲間にしてるンだよ」

何でだろう。
だが、クロームや仲間を大切にしているし、未来では助けてくれもした。
マフィアの事がなければ、もしかしたらいい奴…かもしれない。自信はないが。

「あとは雲雀さんだけど…」
「雲雀は強いのな!」
「まぁ……それは認める」

雲雀さんを表す言葉は沢山ある。

「並中の風紀委員長で、風紀が乱れる事を許さなくて、学校が大切で、最強の不良で、唯我独尊で…」
「おいおい。不良で風紀って、矛盾してないかィ?」
「鳥を飼っていて、年齢不詳で、仕込みトンファーで戦って、群が嫌いで、人の事を草食動物って言って、戦闘狂で…」
「あっ、そう言えば」

綱吉がつらつらと雲雀の特徴を並べていると、山本が何か思い出したようだ。

「何となく土方さんに似てるのな」
「あぁ、…確かに…でもそうかな?」

そう言われれば、何処と無く似ている気がする。雰囲気というか、人を寄せ付けない感じというか。だが、それほど似ているだろうか。

しかし、それに反応した人がいた。

「なら、そいつは気に食わねぇな」
「あぁ、絶対気に食わねぇぜィ」
「銀さん…沖田さん…」

彼等は本当に土方が嫌いのようだ…。

「おい、総悟。昨日言っておいた書類は…」

なんというタイミングで来るのだ、彼は。
土方が部屋の中で何の話をしているのかも知らず、戸を開けて入ってきた。
直前の話の内容が内容なので、皆が土方をじっと見る。

「……何だ?」
「気に食わねぇ」
「気に食わねぇ」
「何の話だァァァァァ!」

あぁ、この土方の怒りを宥めるための説明も、自分がしなければいけないのだろうな…。

綱吉は一人がくりと肩を落とした。






**********

14000HITキリ番リクエスト
銀色アサリの『復活組が銀魂の皆に守護者の事を話す』でした!

土方と雲雀が似ている気がするのは私だけかもしれませんが、あれ?と思っても軽く流して下さい。


紅茶様、お待たせして申し訳ありませんでした。
リクエストありがとうございました!


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