「山本武。君は『遣らずの雨』を編み出した継承者を知っているかい?」

「え?」

前触れがない問。雨を見ながら彼は言う。

「いや、知らないなぁ」

「そう」

長年使っている流派にも、知らない事はある。

「その継承者は、何を想ってその名を付けたのだろうね」

「雲雀?」

彼はこちらを見ない。
降り続く雨を見ている。

「君は、何を想っていたと思う?」

その技を編み出した時も、雨は降り注いでいたのだろうか。




遣らずの雨の意味は――



戻る
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -