三雲修と雨取千佳は、何というか二人の間に甘さがない。同い年くらいの男女の関係というのはもっと甘酸っぱいものではないのだろうか。いや、そんなことを考えている空閑遊真自身もよく分からないのだが。
同じく男女である遊真と千佳の間には甘さがない。それは遊真の成長が止まってしまっているのも理由の一つだろう。しかし千佳と一緒にいるのは純粋に楽しいし、別にそのままで充分なので不満など欠片もない。
修相手に千佳について突っつくと面白い。リアクションが面白い。友愛以上恋愛のちょっと手前、という感じなのだろうか。
それでも、修にとって千佳が妹のような存在以上になる日はそう何十年も後には思えない。そしてそれは千佳にとっての修でも同じだ。そんなに遠くない。
今はボーダーもごたごたしている。それは一年二年で落ち着くものではないだろう。しかし、ちょっと周りが落ち着いて、二人の関係が進んで、レンアイに発展して、大きくなって、結婚したら。
少し飛躍し過ぎた想像である自覚はある。それでも、二人が真っ白な服を着て、結婚式を挙げているのを想像するとちょっと楽しい。どうしよう、もしもその時まで自分が生きていて、二人の古い知り合い代表とかでスピーチをすることになったら。この間のテレビで見たお笑い番組みたいに、二人の黒歴史暴露をしようか、学生時代の面白エピソードを語ろうか。
想像すると楽しい。自分には珍しいポジティブな想像だ。
そうだ、結婚したら、二人には子供ができる。どんな子供だろうか。



「……遊真くんが一人でニヤニヤしてる」
「ホントだ。何かいいことでもあったのかな?」

空閑遊真は暫くそのままニヤニヤしていた。





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二人の未来を考えると同時に自分が隣にいる可能性の低さに気付いて落ち込む遊真がいると萌える。



20140807



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