三雲修はお人好しだがいい奴だ。雨取千佳は気が弱いがいい奴だ。
こんなにいい奴らがどうして戦場に立とうとするのか。理由を聞けば、二人らしいものだ。
待っているだけなんてできない。見ているだけなんてできない。何もしないでいる事を自分に許せない。いい奴だから戦場に立つのだ。
チームを組んで、さらに感じる。二人は本当にいい奴だ。
三雲修は自分の命を賭けて誰かを助けようとする。雨取千佳はたとえ危なくても誰かを置いて逃げたりできない。
ああ、何ということだ。二人共自分のために戦っていると言うのに、結局は顔も知らない誰かの為に自分の命を賭けるのだ。
天秤の片方に置かれるのは彼等自身の命。もう片方に乗った「何か」によっては、それはあっさりと傾いてしまう。彼等は自分の命を賭けられるような「いい奴」だから、彼等は賭けてしまう。

「どうやったら重くなるんだろう」
「何がだ?」
「天秤の片方」
「天秤?そうだな、もっと数を多くして置いたりその置いてある物そのものを重くしたり、かな?」
「ふむ」

きっと修には自分がどんな気持ちで言ったのか気付いてもらえていない。気付くのは、迅さんみたいなサイドエフェクトを持っている人くらいかもしれない。
取り敢えず、遊真は食べているハンバーガーの半分を修にあげた。





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初のワールドトリガー、短文です。
大切なモノができた遊真に、彼にとって自分達がどれほど大きい存在なのか分かっていない修と千佳を想像すると萌えます。
好きな子程イジメたい(笑)

アニメ化おめでとう!



20140807



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