「あんたが次代『猿飛』?」
「そう言う貴方は先代『猿飛』ね」
「まさか次代が女だなんてね。俺様びっくり」
「それはどうも。師匠から聞いていた『あの』猿飛を仰天させれたのなら、私にも箔が付くわ」
「他の忍は?『風魔』は誰が継いだ?」
「誰も。伝説の忍は、戦で死んだのかも分からないわ」
「ありゃ。生死不明なんて、彼奴らしい。まぁ、戦場で死んだのなら彼奴も本望かね」
「他は?大先輩の質問に、可愛い後輩は素直に答えるわよ?」
「いや、訊くような事は何も?」
「そう?訊かないの?」
「何を?」
「この戦の結果」
「……」
「どうなるのか、気になるでしょ。江戸がどうなるか、地球がどうなるか、真田が…」
「訊かないさ」
「……理由を」
「俺様がやることは変わらない。旦那は闘いを止めないだろうからね。それに…」
「それに?」
「あんたが本当の事を言う確証はないだろ。あんたは忍だ」
「そうね。私は忍よ」
「忍が口にすることの大半は偽りだ」
「…そうね」
「まぁ、いざとなったら俺様は逃げさせて貰うよ。忍は猫だ。主を選ばない」
「……」
「俺様は行くよ。じゃあな、次代『猿飛』」
「さよなら。先代『猿飛』」
「忍が口にすることの大半が偽り」
私は忍。
貴方も忍。
言葉のほとんどは、偽り。
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BASARA混合短文第三弾あやめと佐助。
『猿飛』の名は継がれていっている設定で。
3での幸村死亡台詞での旦那呼びに燃(萌)えたのは私だけではないはず。
次は誰をやろう。
偽る忍と見破る忍。
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