「貴女は、まだ大切な人が生きているのね」

「市ちゃん…」

「それは、とても幸せな事。だけど、とても不幸な事かもしれない」

「不幸アルか?」

「だって、いつかは失う苦しみを味わうのですもの」

「あんな奴、いなくなっても何ともないネ」

「そう」

「そうアル」

「そう」

「そう…アル」

「そう」

「……」

「手遅れになる前に」

「え?」

「後悔する前に」

「後悔…」

「貴女は、気付いてね」

「市ちゃん?」



「私と同じになる前に」





大切な人を亡くす前に



心を無くす前に







**********

市が好きです。

突発的に出来た市と神楽の会話。

兄と夫を亡くした市と、死んでいない神楽。


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