「貴女は、まだ大切な人が生きているのね」
「市ちゃん…」
「それは、とても幸せな事。だけど、とても不幸な事かもしれない」
「不幸アルか?」
「だって、いつかは失う苦しみを味わうのですもの」
「あんな奴、いなくなっても何ともないネ」
「そう」
「そうアル」
「そう」
「そう…アル」
「そう」
「……」
「手遅れになる前に」
「え?」
「後悔する前に」
「後悔…」
「貴女は、気付いてね」
「市ちゃん?」
「私と同じになる前に」
大切な人を亡くす前に
心を無くす前に
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市が好きです。
突発的に出来た市と神楽の会話。
兄と夫を亡くした市と、死んでいない神楽。
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