第五章 間話 90/115
「死ぬる覚悟はできた。どこからなりともくるがいい。何人たりともこれより先には通さぬぞ」
「日輪が番人月詠。参る」
月詠は百華の足止めのために残った。
「銀ちゃん。ここは私に任せるアル。いくヨロシ」
「神楽ちゃんは僕が護ります」
神楽と新八は夜兎のおっさんの足止めのために残った。
「戻ってこい。必ず戻って吸いにこい。さっさと戻ってこねーと、しゃぶり倒すからな」
「……次会う時は陽の下で」
約束を残して。追い付くという約束をして。
今まで、様々な約束をしてきた。
果たされた約束も、破られた約束も、継続している約束もある。
『そうだなぁ……お詫びに――――』
忘れ去られた約束もある。
「……無事でいろよ……」
誰に言うでもなく、呟いた。
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