第二章 第四話     13/115
 



「人参とじゃがいもと、あと奮発して肉も買っていこうか!あっ、卵も無くなったんだっけ」
「・・・ごめん」
「いや!綱吉君は何も悪くないよ!?むしろ被害が卵一個になって凄いというか・・・」
「でも、直撃した猿飛さんは大丈夫だったのかな・・・。じょわぁぁぁとか音がしていたし、傷は無かったけど、目が悪くなったり・・・」
「あぁ、あの人の目はもう壊滅的に悪いから大丈夫。眼鏡がないとついでに耳までも悪くなる人だから」
「えっ?・・・はぁ、不思議な人何だね」

自分の周りは個性的な人ばかりだと思っていたが、こっちの人々も負けないくらい個性的だ。以外と早く慣れるかもしれない。

「でも綱吉君は凄いよ。姉上の料理を見て、すぐに対策を練ったんだから。初めてアレを見たら普通の人は見なかったことにするよ」
「俺の世界にも似たような料理を作る人がいたんだ」
「・・・本当に?あんな物を作れる人がまだいるの?」
「うん。捜している一人の獄寺君のお姉さん何だけど、作った料理が全て毒になる人で、よく壁とか溶かしていた」
「・・・獄寺君っていう人と仲良く成れそうな気がする」
「獄寺君お姉さんの料理がトラウマになっちゃって、今でもお姉さんを見ると倒れてぇぇぇぇぇ!?」

綱吉が突然驚いたように声を上げて立ち止まった。

「え、何!?どうしたの綱吉君!?」
「あ、アレ・・・」

綱吉はゆっくりと新八の後ろを指さした。
新八が振り返り、その指の先を見ると、そこにはとある指名手配書が貼ってある。

「攘夷浪士桂小太郎って、この間の人ですよね?」
「あ、う、うん」

新八は困った顔をして顔をかいている。

「桂さん、一応指名手配犯なんだ。昔の攘夷戦争っていう戦争で銀さんと一緒に活躍して、今も活動しているというか・・・」
「・・・戦・・・争?」
「うん。地球に来た天人と、その天人を追い出そうとする侍達の戦い。結局は侍が負けて、天人は今も地球にいる」
「天人・・・」
「あっ、神楽ちゃんも天人だよ?」
「えぇぇぇぇぇ!?」

綱吉は驚いた。確かに大人顔負けするほどよく食べるし、力が強くて凄いとは思っていたが、宇宙から来ていたとは・・・。見た目は同い年の女の子にしか見えないのに。

「まぁ、それで、桂さんは今も活動しているから警察に追われている」
「あの・・・友達を捜してもらっている俺が言うのも何ですけど、通報とかしないでいいんですか?」
「んー、あの人が過激派の抑えになっているって聞いたこともあるし、別にいいと思うよ?普段は資金稼ぎで客の呼び込みしているような人だし」
「あっ、今別に放っておいてもいい気がしました」
「でしょ?まぁ、公な付き合いができる人じゃないのも確かだし、真選組の人には特に秘密にしなきゃいけないけどね」

新八はそう言ってまたスーパーへの道のりを歩き出したので、綱吉もついて行く。

戦争。桂や銀時は戦争に参加していた。恐らく、ここにいたのが銀時でも、彼は同じように教えてくれただろう。
だが自分は?
認めていないが、自分はマフィアの次期ボスだ。言う必要がなければ言う気はない。だが、もし言う必要があったら?
自分は言えるだろうか?ただの子供だと信じてくれている彼らに。
京子やハルに打ち明けるとき、彼女らが巻き込まれるのが恐かった。彼女らが離れていくのが恐かった。その気持ちは今も変わっていない。
言わないですむことを綱吉は願った。





「えっと、次は・・・醤油がほしいな」
「あっ、調味料はあっちみたいだよ」

綱吉達はスーパーで買い物をしていた。流石特売だけあって、早く来たはずなのに客は多い。
そして調味料を買おうと場所を移動すると、進行方向から声が聞こえた。

「お客様、困ります」

どうやら店員のが客の一人に注意しているらしい。

「マヨネーズはお一人様一点までとなっております」
「んだよ、いいじゃねぇか。最低でも三本はほしいんだよ」

その注意されている客を見て、新八は思わず言ってしまった。

「何やっているんですか、土方さん」

着流し姿の土方十四郎がこちらを振り返った。




前へ 次へ

戻る

 
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -