序章
異世界の街。
異世界の住人。
異世界の空気。
異世界の空。
異世界の月。
それでも彼等の在り方は変わらない。
「ワオ。此処は何処だい?」
雲は月が見える廃墟の屋根に降り立った。
其処は彼の愛する街ではなく、戦う相手もいない。
「おやおや、随分と物騒な物を向けてきますね。クフフフフ」
霧は空飛ぶ船の中に降り立った。
其処には彼の憎むマフィアの代わりに、過激派のテロリストの姿があり。
「ミードーリータナービクーナーミーモーリノー」
「君、此処は並盛じゃないよ」
「てめぇ、何処から現れやがった!」
「それが人に物を尋ねる態度ですか。全く、なっていない」
何処にいても、彼等の在り方は変わらない。
「……人の気配がする。群れているね…」
「墜ちろ、そして廻れ」
変わらず、己の命ずるまま、彼等は戦場に在った。
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