朝ごはんはみんな一緒に
完結記念リクエスト
うったん様より


朝ごはんはみんな一緒に


「おはよーっ」

むくの大きな声が聞こえてきて、風太と汰絽は目を覚ました。
昨日の夜リビングで映画を見ていたら、ソファーでふたりして眠りこけてしまった。
むくの大きな声はきっと自室で眠っているであろう父を起こしたようで、遠くから父の笑い声が聞こえてくる。
まだぐっすり眠っている汰絽の肩を揺らすと、あくびをしながら目を覚ました。


「ん、おはようございます…」

「むくが起きたみたいだぜ。でかいアラームみたいになってる」

「ん、ふふ、ちょっと面白いこと言わないで…、朝からお腹痛い」

「笑うなよ。お前が笑うから俺まで面白くなるわ」

そう言いながら、ふたりはお互いにチュッと軽くおはようのキスをする。
穏やかな朝の日差しがリビングのカーテンの隙間から入ってきた。
立ち上がった汰絽はカーテンを開けて、うんと背伸びをする。


「朝ごはん作りますね」

「おう。俺麦茶入れるわ」

「お願いします」

ふたりで台所に立っているとバタバタと足音が聞こえてきて、むくと父が入ってきた。
むくに手を引かれている父は嬉しそうに口元を緩めている。


「おはよう、汰絽君、風太」

「おはようございます、風斗さん」

「はよ、親父」

リビングのソファーに腰をかけた父の膝の上にむくが座る。
嬉しそうに笑うむくはテレビをつけてお気に入りのアニメを見始めた。


「汰絽くーん、今日の朝ごはんは何かな」

「今日は、しらすと夏野菜のそうめんですよー。誰かさんが夏バテしてるので」

「助かります、たろさん」

隣からの言葉に汰絽は小さく笑う。
それにつられて父も笑って、膝の上に乗ってたむくも同じように笑った。


「朝ごはんはみんな一緒にしてよかったねえ。毎朝、汰絽君の美味しいご飯たべれるもんね」

「みんな美味しいから幸せだねえ」

「そうだねえ」

「家族っていいねえ」

「幸せだねえ」

父とむくののんびりとした会話に、風太と汰絽は顔を見合わせて笑った。
出来上がった料理と麦茶、箸を運び、食卓に並ぶ。


「幸せだねえ、風太」

そう言って笑いかけてくる父に、風太も小さく笑った。


「本当に、幸せだな」

風太の笑みに、全員幸せそうに頬を緩める。
それから、父がパンっと手を叩いて、挨拶をした。


「いただきます!」

全員揃って朝ごはん。
春野家のお約束。

end
あとがき
リクエスト内容
 家族四人の日常

うったん様、リクエストありがとうございました。
いつもありがとうございます。
長い間おつきあい本当にありがとうございました。
リクエスト、とても穏やかで優しい気持ちで書くことができてとても楽しかったです。
まだまだほわほわララバイのみんなのお話を書いていくので、宜しくお願いします。
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