ココアとマカロン
拍手お礼文「神様なんていない」から(12/01〜)



ココアとマカロン

ある日の昼間。
寒い寒い毎日の中今日はたまたま温かくて、ココと古道は日差しの差し込むベッドの上でゴロゴロしていた。
雑誌を眺める古道にぴったりと抱き付いたココは、タブレットを弄って何かをしている。


「ココちゃーん」

「なあに、古道」

「ココアが飲みたい、淹れて」

「ココア?」

タブレットを古道のベッドに放り投げたココは、古道を見つめる。
ココアが飲みたい、ともう一度言うとココが微笑んだ。


「ココもココア飲みたい、古道の作る甘くておいしいココア」

「もー、そんな風に可愛くおねだりされちゃったら、俺が淹れるしかなくなっちゃうなー」

のそりと起き上がった古道の上に乗せていた足と腕が振り落されて、ココはベッドの上に仰向けに転がった。
驚いたのか、目を白黒させてから、楽しそうにけらけらと笑う。
その声を聞きながら、古道はココの額にキスをした。


「ちょっと待っててねー、ココちゃん。次いでに、副委員長からもらったマカロンも食べる?」

「うん。…こどー、もっかいおでこにちゅー」

「はいはい」

チュッと軽いキスをした後に、古道はココの髪を撫でてからキッチンへ向かった。

ココアの入った袋を棚から取り出して、冷蔵庫から取り出した牛乳を鍋に入れる。
粉をマグカップにティースプーン三杯程入れてから、温まった牛乳を入れた。
ココの大好きな淹れ方だ。
甘い香りがしたマグカップを片手で二つ持ち、マカロンを乗せた四角い小皿も持ってココが待つベッドへ戻った。


「今日、おひさまがポカポカしてるからきもちいね」

「そうだね。ココちゃん、眠たそう」

「うん、ねむたい…」

ウトウトとしながら窓の外を眺めるココは、古道からマグカップを受け取ってフーフーと熱を冷まそうとしている。
唇を尖らせて息を吹きかけるココが可愛くて、古道は思わず笑った。
それからマカロンを口元に運び、食べさせる。


「ん、美味しい」

「俺にも食べさせて」

「はい、あーん」

「ん、ほんとだ。さすが副委員長」

「ふふ、古道、雛みたい」

嬉しそうに笑うココの口元に、もう一度マカロンを食べさせて古道は小さく笑った。

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