口付け
「あっ、はっ、あぁ…」

千陽がゆるゆると吐き出した吐息を聞きながら、腰を揺する。
甘い吐息に激しく欲情を煽られて、細い身体を抱き上げた。

「っ、あ、しゅ、んさ…っ」

「ちはる」

砂糖のような甘い声で名前を呼ぶ。
それから熱く溶けるようなそこを突き上げながら、千陽の首筋にくちづけた。

「千陽…、少し落ち着いたか」

「ん…、もっと、したい…」

「ちょっと休もう、な? 何も食べていない」

「…んん〜」

むずがる千陽に少し冷静になった頭でぬかるんだそこから、ゆっくり刺激しないように抜け出す。
千陽に俺のTシャツを着せた。
それから、スウェットを履き、ポケットにコンドームを入れてからキッチンへ向かった。

冷蔵庫の中から、ヒートに入る前に作ったサンドウィッチを取り出す。
スポーツドリンクも取り出して、そのままソファーに移動した。
首筋に甘えるように擦り寄ってくる千陽に笑いながら頭を撫でる。
甘えてくる千陽は子どものようでとても愛らしい。
柔らかなグリーンアッシュを撫でて、スポーツドリンクを口に含む。
このままだと食事も飲み物も口にしてくれなさそうだ。

「…ん、く、」

「…ふ、千陽、口あけてごらん」

「あ…」

小さく口を開けた千陽のサンドウィッチをくわえさせる。
少しだけ落ち着いたのか、細く白い指先が手に触れてサンドウィッチを持った。
それからゆっくりと食べ始めるのを確認してから、同じものを食べる。
千陽の柔らかい頬は赤く染まっていて、目元も同じように赤くなっていた。

「おいし…」

「飲み物も飲んで」

「ん、さっきのもっかい、して」

「さっきの?」

ああ、口移しか。
もう一度スポーツドリンクを口に含んで、千陽に飲ませた。
くすくすとおかしそうに笑う千陽の頭を撫でて、食事をするようにすすめる。
ヒートも半ばだからか、千陽が落ち着いてる時間も増えてきた。

「しゅんさん、しあわせ…」

ぽやぽやとした顔でとても幸せそうにそう呟くから、思わずきつく抱きしめた。
愛おしくて仕方がない。

「んん、しゅんさ、したい」

すりすりと擦り寄ってくる千陽をソファーに押し倒す。
潤んだ瞳が見上げてくるのが心地よかった。

千陽の真っ白な太ももに手を這わせて、勃たないそれに触れるとびくりと身体が揺れた。

「やっ、も、でないの…っ」

「やなのか?」

「ん」

こくこくと頷く千陽にそこに触れるのをやめて、宥めるように太ももにくちづけた。
足を抱えてから、ゆっくりと自分のものを当てる。
期待に満ちた表情をしながら、千陽が口元を抑えた。
はあ、はあ、と荒い息をこぼしている千陽の足をグッと折り曲げゆっくりと挿入しながら、口元を覆った手の甲に口づけた。

「ひっ、あぁー…ッ!」

とろりと奥の方から粘液がたれてコンドームをまとったそれが熱いものに包まれる。
気持ちよさに息を飲み、千陽の手の甲を甘噛みした。

「…っは、千陽、手退けろ」

「んっ」

素直に手をどけた千陽の口から甘やかな喘ぎが漏れる。
その喘ぎを飲み込むように深く唇を重ねる。

「っ、んぅっ、ん…っ、あっ、もっと」

唇を離せば、千陽が甘えるようにもっとと求めてくれる。
答えるようにくちづけ、深いところまで腰を押し進めた。
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