大好き
駿さんのバニラの香りを、嗅ぎながら荒い息を吐き出す。
止まない口付けを受け止めながら、天井を眺めた。
この気持ち良さに溺れる時間がたまらなく愛おしい。

「ん…ッ、あッ、やだ、そこ…」

「…ん?」

「そこ、そこ、触らないで、おなかに、ひびくの…ッ」

そう言って胸元に触れる駿さんの手を止めた。
きゅう、とお腹が締め付けられるような感覚にとらわれて、指先から痺れ始める。
ビクビクと身体が震え目の前が真っ白になった。
息ができないくらいの衝動が這いずり回って、背中が仰け反る。

「……ッアっ、はッ、あッ、あッ」

「千陽、イッたのか」

「ん……、っ、ふ、いや…て、いったのに…」

身体の震えはまだ止まらない。
ボロボロと涙が流れてくる。
気持ちよくて仕方がない。
駿さんの大きな手は宥めるように抱き上げて背中を撫でてくれた。
首筋にキスをくれて、それから指先が悪戯をするように背骨をくすぐる。
その刺激にキュッと口を噤めば、駿さんに口付けられた。

「しゅんさ…」

甘えるように鼻先を首筋に擦り寄せて、駿さんの香りを嗅ぐ。
グレーアッシュの髪先が頬をくすぐって、ぶわっと愛が湧き上がった。

好き。

大好き。

この人を、愛してる。

気持ちがあふれだすと自然と涙になってこぼれてしまった。
熱い涙の雫は熱を失いがら駿さんの肩に落ちる。

「千陽…」

なんども背中を撫でてくれる手が止まって、またベッドに降ろされた。
柔らかなベッドに身体が沈み込んで、また心臓が激しく動き始める。
トロリと身体の奥から、駿さんを受け入れるための愛液が零れてきた。
駿さんの手のひらが薄い骨ばった身体を撫でていく。
気持ちよくてその熱を吐き出したくて、あっ、あっと声をあげてれば、駿さんが目を細めてながらキスをくれた。
軽くて子どもみたいな、可愛いキスが気持ちよくてまた声が漏れる。
駿さんの指先は肋骨を撫でて、胸骨を撫でて、みぞおちをくすぐった。
神経質そうな指先はヘソをくすぐって、甘えるように爪で引っ掻く。
その刺激でびくりと腰が揺れて、透明な液体がΩの特徴で小さくて機能してるのかしていないのかわからないそれから飛び出した。

「…軽くイッたな」

「ん…、きょー、ねちっこい、んッあ…!」

指先が透明な液を吐き出したものを弾いた。
先端は敏感で、触れられれば腰がズクンズクンと疼く。
ぶわりと熱が身体を覆って涙がこぼれた。

「やっ、そこや…ッ、あッ、アッ、んっっ」

「…は、可愛いな…千陽…」

駿さんはそう呟いて、俺のささやかな男としての象徴を口にくわえた。
喉奥でキュッと先端を締め付けられて、訳が分からなくなる。
太ももに触れる駿さんの柔らかなグレーアッシュが気持ちがいい。
いや、いやと首を横にすれば、もっときつく吸われた。

「んやッ、やだぁ…!」

クシャクシャとグレーアッシュを掴み、かき混ぜる。
足の指、手と身体の末端から力が抜けて痺れた。
甘えるように髪に指を絡ませて、仰け反る。
絞り出すように出した声とともに、どくんと吐き出した。

「あっ…ッ、あー…、」

惚けるような声が口から漏れ出て、焦点が合わない。
口の端からとろりと唾液が垂れた。
なかなか離れてくれなかった駿さんがやっと離れてくれて、大きく息を吸う。
吐き出せなくて、荒い息を零せば駿さんが笑った。

「気持ちいいか」

「…んん…」

きっと睨みつければ、駿さんはもう一度笑いながらキスしてくれる。
嬉しくて、ヘニャリと笑えば、駿さんの指先が太ももを撫でた。
そこからゆっくりと上に登り、下腹部を撫でる。
薄いお腹を何度も撫でられ、身体を震わせていると熱い唇が太ももに吸い付いた。

「ん…、しゅんさんのも…しよっか…」

「いい。ヒート始まったばかりだし…、今はお前が気持ちよくなってくれれば、俺はそれで気持ちい」

「…ん、ん…」

駿さんの頭をクシャクシャと撫でて、枕に顔を埋めた。
俺の手よりもひと回りふた回り大きい手が、何度も薄いお腹を撫でる。
チュッと太ももの付け根を吸われて身体が震えた。
指先がツプッと音を立てて、中に入ってくる。
濡れたそこは待っていたかのように、駿さんの中指を受け入れた。
内壁をくすぐるように撫でられて、爪先が揺れる。

「は…ぁあ」

身体の内側からとろけ出すように濡れた。
気持ちよくて仕方がない。
枕に頬を押し当てていると、駿さんが深く息を吐き出した。

「指、増やすぞ」

「ん、ん…ッ、あっ」

圧迫感が増して、息がつまる。
何回か中をかき混ぜれば駿さんはもう一本指を足した。
グチュグチュといやらしい音が、大きくなって身体の熱が多くなる。

「しゅ…、んさ…」

「ん…? どうした…」

「も…、はやく…」

「はやく?」

「きて…ッ、も、我慢できな…、しゅんさ、おねがい…、埋めて…ッ」

我慢できなくて、はやく欲しくて、指だけじゃ足りない。
もっと埋めて、熱い、駿さん、駿さんが欲しくてたまらない。
お願い、はやく、もっと熱くさせて。
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